2022年度日本原子力学会秋の大会(茨城大) 熱流動部会 企画セッション

"国内における浮体式原子力発電所の検討状況”

企画セッシヨン 9月8日(木)13:00-14:30
座長 師岡(早大名誉教授)

@浮体式原子力発電に関する開発検討の全体概要 (東電HD 佐々様)
A浮体式原子力発電におけるBWR成立性の評価(エネ総研 木野様)
B核熱結合を考慮したBWRプラント揺動解析(早稲田大学 古谷教授)
CNEXIPにおける浮体式炉の熱流動研究と過酷事故の実質的排除への展望(電中研 宇井様)

今回の企画セッションは,会場には約70名の多数の参加者がありました。
全講演終了後の討論では,活発な質問そして議論が時間いっぱいまで行われました。
国内での立地制約を解決しうる可能性のある新しい原子炉システムとして,
浮体式原子力発電所への参加者の関心の高さがうかがえました。

浮体式原子力発電とは?


浮体式原子力発電は、円筒型の浮体構造物に原子炉を 搭載して沿岸から数30km 沖合の洋上に浮かせ発電します。
浮体式原子力発電所の主な長所は
@ 津波の影響を小さくでき、かつ、洋上に浮かべるため地震の直接的影響を排除が可能となります。
A 原子炉や熱交換器を海面下に配置し、動力なしで重力などの自然力で原子炉の崩壊熱を海水に逃す設計が可能です。
B 沖合30km以遠に設置することで、事故時の住民避難が軽減されます。
C 工場において集中的に製造し、完成状態で係留場所に曳航・設置できるため、品質向上が図れる。

このプロジェクトは、国、産業界と大学が連携して行っています。
2021年度の浮体式原子力発電所の最終報告書は産業競争力懇談会のHPに掲載されています。